この記事の要約
プロテイン(サプリ)は必須ではない。食品から十分なタンパク質が摂れているなら不要。
太るか痩せるかは、プロテインの有無ではなく「総カロリー収支」で決まる。
筋肉がつくかは、プロテインの有無ではなく「適切なトレーニング」の有無で決まる。
手軽で低脂質なプロテインは非常に便利な補助食品である。
最近はコンビニでも手軽にプロテインドリンクが買えるようになり、プロテインはアスリートや筋トレ上級者だけのものではなくなりました。
しかし、いざ自分が使うとなると、
「トレーニングをしたら、絶対に飲まないといけないの?」
「飲んだら太ったり、ムキムキになりすぎたりしない?」
「トレーニングをしない日も飲むべき?」
といった疑問は尽きないと思います。
今回は、これらの疑問にシンプルにお答えします。
まず大前提として、「プロテイン(Protein)」とは、日本語で「タンパク質」のことです。
語源はギリシャ語の「プロティオス(最も重要なもの)」であり、私たちの体(筋肉、髪、皮膚、内臓など)を作るための最も重要な材料です。
これは特別な薬ではなく、肉、魚、卵、大豆製品など、普段の「食品」から摂取できる栄養素です。
結論から言うと、必須ではありません。
厚生労働省が推奨するタンパク質の「最低限の必要量」は、成人男性で60-65g、成人女性で50gとされています。
例えば、卵1個で約6g、コンビニのサラダチキン1個で約20〜25gのタンパク質が摂れます。
しかしながら、もしあなたが「ダイエットやボディメイク」を目的とするならば、筋肉の減少を防ぎ、代謝を維持するために、この最低限の量では不十分です。
一般的に、体重1kgあたり1.2g〜2.0g(体重60kgの人なら72g〜120g)のタンパク質を摂ることが推奨されます。
この量をすべて食品だけでまかなうのは、特に食が細い方や脂質を抑えたい方にとっては、なかなか大変です。
そこで、足りない分を効率よく補うための「栄養補助食品」として、プロテインパウダーが非常に役立ちます。
つまり、目標摂取量に対して食事で足りないなら飲む、足りているなら不要、というのが答えです。
「プロテインを飲んだら太った」
「プロテインを飲んだだけで筋肉がついた」
これらはすべて誤解です。
タンパク質は、食べた後の消化・吸収で消費するエネルギー(食事誘発性熱産生:DIT)が、他の栄養素より圧倒的に高いことが分かっています。
つまり、タンパク質を多く摂る食事は、それだけで代謝を上げやすく、ダイエットに有利と言えます。
ジムでトレーニング直後にプロテインを飲む人が多いのは、吸収速度に理由があります。
【注意】
トレーニング中の摂取
トレーニング中に「プロテイン(タンパク質)」を飲むと、消化のために胃腸に血液が集中し、トレーニングのパフォーマンスが落ちたり、消化不良を起こしたりする可能性があります。※1
もしトレーニング中に栄養補給をしたい場合は、すでに分解されて消化の必要がない「アミノ酸(BCAAやEAA)」を摂取するのが正解です。
※1 同じ理由で消化不良を起こさないためにもトレーニング直後にプロテインを飲むより30分ほど時間を空けてから飲む方が良いでしょう。
プロテインに対してありがちな考えを捨てて、より効果的に摂取してみてください!
Studio Nibble代表
松本 崇寿